70代は「今すぐ決める」より「確認する」時期
親が70代になったからといって、すぐ介護施設や相続手続きを決める必要はありません。むしろ最初に大切なのは、親の暮らし、健康、希望、書類の場所を少しずつ把握しておくことです。
何かが起きてから家族が動こうとすると、通院先が分からない、薬が分からない、実家の書類が見つからない、といった小さな困りごとが重なります。元気なうちに確認しておくことで、親本人の希望も尊重しやすくなります。
補足
この段階では、親にすべてを聞き出す必要はありません。まずは「緊急時に困らない情報」から確認するのが現実的です。
最初に確認したい10項目
最初は、次の10項目を家族で分けて確認していくと進めやすくなります。
親が70代になったら確認したいこと
1. 健康状態、通院先、飲んでいる薬
急な入院や救急搬送のとき、家族が通院先や薬を知らないと説明に困ります。病名を詳しく聞くより、まずは「どこの病院に通っているか」「お薬手帳はどこにあるか」を確認します。
2. 住まいの安全と食事
階段、玄関、浴室、廊下は転倒しやすい場所です。帰省時に、床に物が増えていないか、照明が暗くないか、冷蔵庫の中身が極端に偏っていないかを見るだけでも、見守りや宅配食を検討するきっかけになります。
3. お金と重要書類の場所
金額を細かく聞く前に、銀行、保険、不動産、年金関係の書類がどこにあるかを確認します。暗証番号を共有する必要はありません。むしろ、通帳や印鑑の扱いは本人の同意を前提に慎重に進めます。
親に聞きにくい話を切り出すコツ
老後、介護、相続の話は、いきなり「財産はどれくらいあるの」と聞くと警戒されやすくなります。切り出しは、お金ではなく暮らしや緊急時の話から始める方が自然です。
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まずは暮らしの不便を聞く
「最近、買い物や病院で困ることある?」のように、日常の話から始めます。
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緊急時のためという理由にする
「何かあったときに慌てないように、病院と連絡先だけ教えてほしい」と伝えます。
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一度で全部聞こうとしない
話題を分け、親の反応を見ながら少しずつ進めます。
注意
相続税、遺言、家族信託、成年後見などは家庭ごとに判断が変わります。一般論だけで決めず、必要に応じて税務署、法務局、司法書士、弁護士、税理士などに確認してください。
早めに相談したいサイン
次のような変化がある場合は、家族だけで抱え込まず、親の住所地の地域包括支援センターや自治体窓口に相談します。
- 転倒やヒヤリとした場面が増えた
- 薬の飲み忘れや通院忘れがある
- 食事量が減った、買い物が負担になっている
- 郵便物や支払いが滞っている
- 火の消し忘れ、鍵のかけ忘れが心配
- 家族が介護や見守りで疲れ始めている
帰省後に家族へ共有すること
親の様子を見て気づいたことは、帰省した人だけで抱えない方がよいです。ただし、感情的に「かなり危ない」「もう一人暮らしは無理」と送ると、兄弟姉妹との温度差が広がることがあります。まずは、見た事実、親の言葉、自分が心配していることを分けて共有します。
たとえば「冷蔵庫に同じ惣菜が3つあった」「薬の袋が2週間分残っていた」「本人は買い物が重いと言っていた」のように書くと、次に何を確認するか話しやすくなります。事実が共有できれば、見守り、宅食、介護相談、実家片付けのどこから始めるかを決めやすくなります。
共有メモの型
公式情報・公的窓口
- 地域包括支援センターについて厚生労働省
- 介護サービス利用までの流れ介護サービス情報公表システム
- 財産を相続したとき国税庁
最初の確認は公的窓口につなげやすい形で残す
親の老後準備は、家族だけで完結させるより、公的窓口へ相談しやすいメモにしておくと次の行動が早くなります。地域包括支援センターへ相談するときは、親の住所、年齢、困っている場面、通院・服薬、家族がどこまで支援できるかを整理しておくと伝わりやすくなります。
相談につなげるためのメモ
相談先へ渡せる形で残すと、家族の不安を書き出すだけでなく、実際に支援へつながる準備になります。
次に読む記事
10項目を見て、不安が強いテーマから詳しく確認していきます。見守り、介護相談、実家片付けは、親が元気なうちでも始めやすいテーマです。