電話がつながらなかったら
「何かあったら電話して」と言っても、停電や通信障害があればつながらないかもしれません。避難する場所と、薬の置き場所、近所で頼れる人。電話が使えるうちに話しておきたいことがあります。
親の家がある地域のハザードマップと、自治体や内閣府の防災情報を見ます。自分の家で用意した物が、そのまま実家でも役に立つとは限らないんですね。
実家の地域の避難情報
内閣府の防災情報や自治体の高齢者向け避難支援の案内では、要配慮者の備えとして避難先の確認、連絡手段、常用薬の携行が繰り返し挙げられています。一般的な防災リストをそのまま使うのではなく、親の体力と住まいに合わせて絞り込むことが出発点になります。
天気が穏やかな日に見る場所
自治体のハザードマップを見て、薬とお薬手帳の場所を親に聞いておきます。停電したときの明かりや充電、家族への連絡も、電気が使える日に一緒に考えたいです。
高齢の親の防災は移動と連絡が要になる
災害時は、備蓄があっても避難できない、停電で連絡できない、薬が足りないという問題が起きます。親が一人暮らしの場合、本人が避難情報を理解し、実際に動けるかまで確認しておく必要があります。
特に高齢の親の場合、「避難所を知っている」だけでは不十分です。雨の中で杖を使って歩ける距離か、夜に停電しても玄関まで行けるか、避難所で必要な薬や補聴器の電池を持てるかまで見ます。家族は地図上の距離ではなく、親の歩く速さと荷物の重さで考えると、必要な備えが具体的になります。
家の中で先に見る場所
自治体のハザードマップで避難場所を調べます。親の足でどのくらいかかるか、近所で声をかけられる人はいるかも確かめます。倒れそうな家具やガラスのことも気になります。夜や停電のときに、足元を照らす物があるかも見ておきます。
帰省時は、親と一緒に玄関から避難経路を歩いてみます。玄関に靴が多くて出にくい、門扉が重い、坂道が濡れると滑る、集合住宅の階段が暗いなど、実際に歩くと気づく点があります。寝室では、底のある靴と懐中電灯を手に取れるところへ。眼鏡や携帯電話も、ベッドのそばに置けるか見ておきます。
マンションや団地では、エレベーター停止時に階段を使えるかも確認します。戸建てでは、雨戸やシャッターを閉める作業が親一人でできるか、庭やベランダの植木鉢を強風前に動かせるかを見ます。台風前に子どもが電話で頼めることと、近所の人にお願いした方がよいことを分けておくと、直前に慌てにくくなります。
備蓄より先に、避難の現実性を見る
水や食料も必要です。ただ、階段や夜間の移動が難しかったり、雨風や持病が心配だったりするなら、どう避難するかを先に相談したいです。
親を責めない聞き方の例
「まだ避難袋を作っていないの?」ではなく、「台風のとき私も心配だから、薬と眼鏡だけ一緒に袋へ入れておいてもいい?」と、家族側の心配と具体的な一作業に分けて伝えます。
親の家で確認したい防災項目
家族で一つずつ確認する
非常用袋に入れる前に親と確認する物

比べるときの見方
災害の場面ごとに必要な備えは違います。
| 場面 | 確認すること | 家族ができること |
|---|---|---|
| 台風・大雨 | 浸水、土砂災害、避難情報 | 早めの連絡、避難先の確認 |
| 地震 | 家具転倒、ガラス、通路 | 固定、片付け、靴や照明の準備 |
| 停電 | 冷暖房、充電、冷蔵品 | モバイル電源、懐中電灯、暑さ寒さ対策 |
| 断水 | 飲料水、トイレ | 水の備蓄、簡易トイレ |
避難の判断は、「警報が出たら電話する」だけでは遅いことがあります。大雨の予報が出た前日、台風の進路が近づいた朝、自治体から高齢者等避難が出た時点など、家族で連絡するタイミングを決めます。兄弟姉妹がいる場合は、誰が親へ電話し、誰が自治体情報を見て、誰が親戚や近所の連絡先を確認するかを分けておくと、同じ電話が重なったり誰も連絡しなかったりする事態を避けやすくなります。
兄弟姉妹への共有文の例
「実家は避難所まで徒歩15分だけど、母の足だと雨の日は難しそう。非常袋は薬と保険証コピーまで準備済み。次の台風では、前日の夕方に私が母へ電話、当日は兄が自治体情報を見る形でどうかな」と、事実、未対応、役割を分けて送ります。
高齢の親向けの個別避難メモを作る
災害時に自力避難が難しい高齢者は、自治体の避難行動要支援者名簿や個別避難計画の対象になる場合があります。制度の有無や申し込み方法は自治体で異なります。
避難する場所と移動手段、手伝ってくれる人をメモします。持病や薬、保険証とかかりつけ医の情報も必要です。眼鏡や補聴器、杖など普段の道具と、充電器・予備電池も忘れずに。家族や近所、自治体の連絡先も一緒に控えます。
避難情報は自治体の案内を確認する
注意
災害時にどう動くかは、地域の地形や住まいによって変わります。親の体調も考えないといけません。ネットの一般情報だけで判断せず、自治体の防災情報や、地域の避難支援制度を確認してください。
親が避難をためらう理由も事前に聞いておきます。「近所に迷惑をかけたくない」「避難所のトイレが不安」「ペットを置いていけない」「薬を忘れそう」など、理由が分かると対策を考えられます。説得する前に不安を一つずつ書き出し、自治体の避難支援や親戚宅への一時避難など、本人が受け入れやすい選択肢を用意します。
公式情報・公的窓口
- 防災情報内閣府
- 気象情報・防災情報気象庁
- 地域包括支援センターについて厚生労働省
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